刀匠が作った小刀 ①
河内國平刀匠の小刀です。
2種類をご紹介します。
短刀とあまり変わらないのではないかと思います。
これは正確に言うと小刀ではなく、大小刀と言うようです。
河内國平刀匠の略歴:
昭和16年 本名は河内道雄。
昭和41年 人間国宝 宮入昭平(行平)に入門。相州伝を学ぶ。
昭和59年 人間国宝 隅谷正峯に入門。備前伝を学ぶ。
昭和63年 無鑑査 平成17年 奈良県無形文化財保持者。
平成26年 「正宗賞」 受賞。
これは刀剣界最高賞で、18年間該当なしであった賞。
現代では不可能とされた鎌倉~室町時代の名刀が持つ地紋「映り(うつり)」の再現に成功した。
「黄綬褒賞」受賞。 奈良県吉野村に鍛刀場がある。
昨年から河内國平さんの刀を見たいと思って知り合いの刀剣マニアや、関東近辺のあちこちの刀剣商に連絡を取り探していたのですが、実物を見られる業者もなく、あきらめかけていた時にこの2振りの小刀に出会いました。
そもそも私としては今までに実物の日本刀を見たこともなく、種類は大刀と短刀くらいしか知りませんでした。
今回、この小刀が「しょうとう」ではなく「こがたな」と呼ばれていることを初めて知りました。
この小刀というものは目釘穴がないので登録の必要がないということも同時に知りました。
上記写真の小刀:
刃 長: 17.9cm、 全体長: 、 最大肉厚: 2.9mm 、 最大幅: 19mm、 重 量: 44g 、 銀無垢ハバキ、 白鞘入
この小刀に関する刀剣商の評価です: 体配は、短刀を思わせるほどの長寸でしっかりとした小刀。地鉄は、小板目肌良く練れて地に衝が付く。刃紋は、錵出来互の目乱れに小足が入り帽子尖りごころに返る。本作は、師匠であった宮入昭平の作風に似て、相伝に左文字写しと思われる。
この小刀が私の手元に来た時には、ご本人直筆のサイン入り桐箱に刀身が入っただけのものでしたが、その後、石川県の方に白鞘を作っていただいて、2016年3月に國平さんの東京日本橋三越本店での展示会の折り、写真のように鞘書きをしていただきました。 製作者ご本人が存命中は、鑑定機関の証書が出ないということでしたので、実際に製作者ご本人に確認・鞘書きしていただいたことは、何よりも代え難いものとなりました。
もう1本の小刀です。
全体長: 21.2cm
元 幅: 1.4cm
重 量: 23g
ハバキ重量:7~8g(金無垢)
この小刀は刀身に岡山の仙寿さんの彫りと刻印がが入っており、本体をグッツと引き締めています。
また、ハバキは7~8gの金無垢で出来ていて高級感があります。
この地肌・波紋もとてもきれいです。
小刀といえども材料は普通の日本刀と同じ玉鋼で作られていますし、製作過程も同じ工程を経ています。
また、小刀は小さいので歩留まりが悪く、当初は、20本の鍛錬で3本しか完成しなかったとも聞いています。 これらの小刀を見ながら「酒を一杯」もいいものです。
日本刀には通常、登録が必要ですが、小刀には目釘穴がないために不要となります。
譲渡する場合には大変楽ですね。
河内国平さんの作はさすがにすばらしい出来です。
こちらに来ていただくか当方の近隣での出会いになりますが、時間の許すかぎり対応させていただきます。
本作品に限らず、扇八郎のホームページに載せてあるものは何でも対象です。
また、すべてが非売品としているわけでもありませんので、こちらで保管しておくよりもお譲りした方がいいと 判断した場合には販売もいたします。