ウォルサムK18無垢懐中時計
投稿日:2014.11.06
私個人としては若い時から時計というものは持ち歩いたことがありません。
時間というものにとらわれたくないし、特に最近では携帯電話があればそれで十分だったからです。
ところが、どういう訳か今回はウォルサムというメーカーの時計を手にしてしまいました。
それも懐中時計という腕にはめるのではなく、ポケットの中に入れて持ち歩くというタイプのものです。
手巻き式のもので、外側が18金の無垢材が使われています。(写真3番目のK]8の刻印)
最初に私のもとに来た時にもしっかりと動いていましたが、随分と古いものだと聞いていましたので、
いっそのこと、オーバーホールに出しました。
2ヶ月ほどして帰ってきたのですが、以前よりもはるかに頼もしい鼓動を打つようになりました。
この時計は中のシリアルナンバーから1919年の製造だとわかりました。(写真一番下22048940の数字)
機械の価値判断に使われる石の数も19石でした。(写真4番目の19 jewelsの刻印)
日本では大正8年になります。
私が生まれるずっと前から時をきざみ始めていたと知り、大変感動してしまいました。
この時計がこの世に生まれてから、どこの国に行き、どのような経過をたどったのか、誰のそばにいて誰のために時を刻みつづけていたのか。
そんなことを考えていると時間がアッツという間に過ぎてしまいます。
めぐりめぐって私のもとにやってきたのも何かの縁でしょうか。
大切にしていきたいと思います。
ウォルサムという会社は1850年にアメリカで設立され幾度かの倒産を経て、
現在はスイスに移って存続しており、日本の平和堂貿易の100%子会社になっています。
当時はリンカーンや川端康成も愛用していたとのことです。