黒檀の木刀
ちなみに、5大唐木は、白檀とカリンが加わります。
現在、国内の黒檀の分類は多種に分かれてしまっており、専門家でもはっきりと区別することが 出来ない非常にむずかし分野のようです。
黒檀は1973年に採択されたワシントン条約(絶滅の恐れがある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で輸出が制限・禁止されている木材です。
扇八郎でも黒檀に関しては、かなりの割合で推定しているところがあると思いますので、疑問がある場合には皆様おのおので詳細を確認してください。
ただ、扇八郎が取り扱っている製品・材料はすべて鑑定済です。
以前、そもそも日本では黒檀といえば縞黒檀のことを言っていました。(写真 一番上)
その後、アフリカ産の真黒な木材が入ってきて大きく2つに分かれました。
したがいまして、扇八郎では黒檀を 縞黒檀とアフリカ黒檀の2種類に限定しています。
縞黒檀は、カキノキ科カキノキ属の熱帯性常緑高木で、樹高25m、幹の太さは1m以上になり、生育速度が遅く、極端に硬く、研削が極めて困難な木です。
木肌には黒と白っぽい縞模様が入っているので縞黒檀と呼ばれています。
産地はインドネシア(セレベス島)を中心に東南アジア全域です。
アフリカ黒檀はアフリカの一部。
歩留まりが悪く、白太という白い木目が多く入っていて、真黒な部分の大きな材がなかなか取れません。
そのため、真黒で広い材、長い材は特に高価になります。
アフリカ黒檀はマメ科になります。(写真上から2番目)
ちなみに、上から3番目の写真はアフリカ黒檀で、白太が入っているもの。
材質は極めて固く、加工するときには、こちらが思うようには削れてくれません。
今回、扇八郎では、ワシントン条約以前に国内に入った材料(材質鑑定済)で木刀を製作していきます。今後将来にわたって産出国からの入荷予定はありませんので、在庫がなくなりしだい終了となります。
扇八郎の木刀に使う縞黒檀材は20~30年間乾燥させたものを使っています。
こんなに長い年月、乾燥させているところは他にはないと思います。
ですから、変形やねじれ・歪みなどは生じません。
黒檀は木刀が作れるくらいの長い材がなかなか取れないので、非常に貴重なものとなります。
また、唐木には邪気を払う力があると言われており、特に中国での人気が特出しています。
家宝として保管されている方も多勢いらっしゃいます。
販売するのは、3種類で、
① 完 成 品
木刀の完成品です。木の表面はキズがつかないようにウレタン塗装をしています。
このウレタン塗装はサンドぺーパーで簡単に落とすことができますので、自分で修正が出来ます。
元の木刀材料の大きさによって長さや重量が1本1本違います。
また、木目もそれぞれ違いますので、同じもの1本もないということです。
② 荒 削 り 品
木刀材の角を落とし、80番のペーパーをかけただけの荒削り。
製材したときのキズなどは残っています。 もちろん、このままでも素振り用としても十分に使うことが出来ます。
枯渇していく貴重な資材であるだけに極力重量を落としたくないという考えで削っています。
大まかな形ができていますので、ご自分で自分だけの木刀を作るときには、手間がはぶけて便利です。
また、1000番くらいまでペーパーをかけて磨きあげると、ピカピカの木刀になります。
③ 材 料 品
木刀を作るために製材したままの状態です。自分の好きなように作りたい方のための材料です。
自分の木刀にこだわりを持ちたい方におすすめです。
すでに20~30年寝かせたものを木刀にするために製材してあります。
長年、乾燥させてありますので、歪み・変形等は生じません。
この黒檀を含め唐木は邪気払いにもつかわれてきたといわれていました。邪気が払われればその後はおのずから幸運が入り込みます。家宝として後世に残し、1本手元に置いておくのもいいのではないでしょうか。