今までに寄せられたご質問の中から選びました。これらへの返信は扇八郎がいろいろな方々からのアドバイスも考慮して行ったものです。
法律的に判断されるものの中には必ずしも正確でないものもあるかもしれませんので、疑問を持たれた場合はご自身で調べてみてください。
扇八郎は法律の専門家ではありませんので。
1. 鉄扇を普段持ち歩いていても違法ではないのですか。
違法ではありません。
親骨が硬い金属で作られていて、これで人を叩けば当然ケガをします。しかし、鉄扇は扇子として使用する場合がほとんどで、突発的に誰かから攻撃をされた時に防ぐためのものとしての位置にあります。暑いときは扇子として涼を得て、危機に遭遇したときは護身用として使えるのです。
1.-2 鉄扇が護身用の道具だとしても、これで反撃したら相手はケガをしてしまい、過剰防衛で捕まってしまうのでは?
問題を整理して考えてください。
相手はあなたに危害をくわえようとして襲ってきます。
手には凶器(ナイフ・鉄パイプ・こん棒など)を持っています。
それらの凶器で刺されたり、殴られたりしたら死んでしまうかもしれません。
極限の状態に置かれ、自分の身を守る、自分の命を守るのに精一杯の時に過剰防衛などという言葉は頭に浮かばないと思いますが。
しかも、相手は精神異常者かもしれません。
精神異常者に危害を加えられてケガをしたり、最悪の場合、死んでしまっても、刑事責任にも問えないのですよ。
結果として過剰防衛であるとされても、死んでしまうよりはいいと思いますが。
最後は第3者の判断にゆだねるより仕方ないでしょう。
2. おまわりさんに職務質問された時に鉄扇を持っていても大丈夫ですか。
大丈夫です。問題ありません。
鉄扇は扇子です。鉄パイプやバールなどを持ち歩いていれば、おまわりさんでなくても「明らかに怪しい奴」と誰もが感じます。
鉄扇を持っていても「あいつは怪しい」とは見えないと思うのですが。
3. 手慣らし鉄扇を持ち歩いてはダメですか。
手慣らし鉄扇は全体が金属で出来ており、人に向かって振り下ろせばとんでもないことになって
手慣らし鉄扇を使う場合は道場や教室での練習、人のいない場所などで振り回してください。しまいます。護身用だけでは説明がしづらく、武器としての
範ちゅうに入ってしまいます。
もっとも、護身用としての立場は鉄扇よりもこちらの方がずっと有利ですが。
なお、手慣らし鉄扇を持っている時に職務質問などされた場合には、「鉄扇の練習用に持ってきました」など、さりげなく応対してみてはいかがですか。
悪いことをしているのではないので、堂々とした態度で接すればば大丈夫です。
4. 鉄扇の耐用年数はどのくらいですか。
普通に使っていれば一生涯です。
対金属製のものとぶつけ合っていれば別ですが、普通に扇子のように使っていれば一生使えます。
鉄扇を使用していて痛む箇所は扇子部分と要です。扇八郎の鉄扇はこれらが簡単に取り換えられるようになっています。
親骨が極端に変形してしまって修正不能になった場合を除き、少しくらいの変形やキズは修正できます。
親骨はステンレスで出来ていますので、ご自身でも扇子部分を外して研磨すればいいでしょう。
新品同様の輝きを要求されるのでしたら、当店の送っていただければ、購入時のようなキレイな状態で返送します。
5. 扇子の部分とか要(かなめ)とか、部品のみの購入はできますか。
申し訳ありません。出来ません。
扇八郎の鉄扇は各部品の交換が自分で出来るように作られています。万が一、破損した場合にはその部分を交換するだけです。
その場合の部品の販売は扇八郎の鉄扇を以前に購入していただいているお客様のみに対応しています。
親骨は自分で作るので、扇子と要だけ売ってほしいなどの要望にはお答えできません。
特に、扇子紙の部分は名古屋の扇子職人さんが親骨の形状に合わせて何回も試作をし、苦労して扇八郎のために作っ
てくれたものですので。
6. 鉄扇のサイズが4種類ですが、これ以外のサイズは作らないのですか。
扇八郎の鉄扇は現在4種類のサイズがあります。
鉄扇としてのサイズはこの4種類で十分だと思いますが、
あえて、もう一種類加えるとすると、9寸になります。27cmです。
このたび、6寸タイプの鉄扇を作成しましたが、この鉄扇は「守り刀」をイメージして作りました。
大人が持つというよりも、お子さんも持てるようにした。そして、本物の刃物で出来ている「守り刀」の代わりに
邪気を払い、災いがおこらないようにし、幸運を呼び込みます。
守り刀として、お子様に、そして、お祝い事や贈答用に適していると思います。
7.現在商品を見せられる店舗を扇八郎さんは持っていないので、近隣でしたら予定を組んで品物を見せてくれると書いてありますが、近隣とはどのくらい、の範囲でしょうか。やはり、購入する前に一度見ておきたいのですが。
近隣としていますが厳格に範囲を決めているのではありません。
私は鉄扇の製作・販売がメインの仕事ではありません。この鉄扇はいわゆる私の「趣味」の世界に入りますので、仕事の合間に行っています。
出張とか打ち合わせ等の機会を利用してどこかでお会いする方法をとっています。名古屋、大阪、京都、神戸などへは行く機会がありますので、日程内で日時を調整してお会いすることが出来ます。
今まではお互いが都合よく待ち合わせできるような場所、たとえば、どこかの駅のマクドナルドとか、ロッテリアとかを利用しています。
また、商品を見せてもらった場合にみなさんが一番気にするのが、「わざわざ見せにきてくれたのだから買わなければ申し訳ない」という日本人独特の良心です。その心配はご無用です。そういう機会を利用してください。北海道や九州、または、その付近はあまり行く機会がありませんが、その他は行く機会があります。くれぐれも、機会があれば、です。ついでということです。
高価なものですし、自分の分身となるものですから、じっくりと判断してください。
8. 特別注文の鉄扇は作ってくれますか。
はい、どんなものでも作成は可能です。
ただし、特注品を作るのには時間とお金がかかります。
事前の打ち合わせを充分にして、納得していただいてからの作成になります。
9. 扇八郎さんの鉄扇には扇八郎が作ったという刻印とかが入っているのでしょうか。
鉄扇本体には何も入っていません。 。
扇八郎では鉄扇を作りますが、実際に使うのは買っていただいた方です。
その方の所持品になりますので、刻印とか目印とかを入れるのは、おのおのの所有者が自分の意思で行うことだと考えています。
扇八郎は鉄扇をただ作っただけです。
鉄扇に命を吹き込むのは所有者です。
作り終えるまでにたくさんの職人さんの「まごころ」が込められていますので、相乗効果で自分だけの鉄扇になると思います。
ただし、鉄扇をしまっておく桐箱の蓋の裏側には「扇八郎作」と私の手書き文字と押印がしてあります。
扇八郎を知らない人が桐箱を見つけた時にわかりやすいようにです。
10. 鉄扇は通常どのように持ち歩いたらいいのですか。
普通の扇子を持ち歩くようにしていただければいいと思います。
暑い時には手に持って仰いでいればいいですし、使わない時にはカバンやバッグなど、どこに入れておいてもいいと思います。
男性の場合は背広のポケットなどにも入ります、少し重たいですが鉄扇が入っていることを自覚できますので、いざという時には
夜に一人で歩いている場合などは鉄扇を片手に持って歩いていれば安心感があり心強く感じられるでしょう。
鏡面磨きタイプなどは少しの光でも反射しますので、それなりの効果はあります。
仰がないのでしたら、鉄扇袋に入れて持ち歩いてもいいでしょう。
11. 実際に危険な場面に遭遇した場合はどうしたらいいのでしょうか。鉄扇の使い方は?
不幸にも危険な場面に出会ってしまった時は、まず第一に逃げることを考えて行動してください。
武道を鍛錬している人達は「間合い」を良く知っていますので、これらに対処することが比較的に可能です。
しかし、まったくの素人の場合は、この「間合い」がよくわかりませんのでとにかく逃げることが最善策です。
どうしても逃げられない時には鉄扇を持ち、相手に向かって鉄扇を突き出す形をとります。
こうすると相手は何らかの威圧感を感じますので少しひるむかもしれません。
それでも相手が向かってきたらどうするのか。
そして、隙を見つけて全力で逃げてください。
決して鉄扇で相手をやっつけてやるとは考えない方がいいと思います。
12. 鉄扇の親骨の研磨にはヘアラインと真鏡面の2種類があると書いてありますが、写真を見ても分かりにくいです。
扇八郎の鉄扇の研磨には現在2種類あります。
ヘアラインと真鏡面です。
ヘアラインというのは髪の毛のように細くスジが入っているように仕上げる研磨法です。
光沢をなくし、ツヤ消しを行うことで鏡面仕上げと違い、落ち着いた雰囲気を演出し、より金属の質感をはっきりさせることができます。
ツヤ消しになっているステンレス流し台やツヤ消しの腕時計などもヘアラインです。
真鏡面というのは通常一般では鏡面仕上げと呼ばれています。
ステンレスをバフ研磨で磨いて鏡のようにピカピカにする研磨法です。
事実鏡のように自分の顔が映ります。
鏡面仕上げと言っても巾が広く♯400で磨いたものでも♯800番で磨いたものでも同じ呼び方になってしまいます。
また、番手では表現できない場合もあります。
扇八郎ではこれらを区別するために♯800以上で研磨し、これを真鏡面として呼んでいます。
ヘアラインか真鏡面か、どちらにするかは好みがあるので、おのおのが判断していただくほかはありません。
なお、ヘアラインを買われた方が将来再研磨するときに真鏡面にできますし、その反対もできますのであまり深刻に考えないで選んでください。
13. 扇八郎の鉄扇をすでに海外で使っている人はいるのでしょうか。近々に海外勤務になりますので。
トピックスにも取り上げましたが、最初に扇八郎の鉄扇を海外に持って行ったのは女性の方でした。
この方は武道も極めていて2種類で黒帯を取っているとのことでした。
しかし、安全な日本と違って、外国では治安が悪く、護身用具をなにも持たないで行動するのには
不安があるとのことで、8寸タイプを持って行きました。
武道の経験がある方でしたら8寸の鉄扇で十分だと思います。
ちなみに、この方の勤務地はアメリカです。
他にはシンガポール、オーストラリア、インドに赴任された方が持っていきました。
暑いところでは扇子としての役割が主となっていて重宝しているとの連絡をいただいています。
14. 木でできた手慣らし鉄扇のような型のもものがあるそうですが。
たぶんそれは「頑固扇」と呼ばれているものだと思います。
江戸時代末期の剣豪「榊原鍵吉」が明治時代に入ってから廃刀令がだされた時に、「倭杖」(やまとづえ)と呼んだ帯に掛けるための鈎がついた木刀と脇差しの代わりに木で作った「頑固扇」というものを携帯したそうです。
扇八郎でも製作依頼があれば作りますが、材料は非常に硬い唐木(紫檀・黒檀)を使いますし、形状的に材料のロスがかなり発生しますので、かなり高額なものとなります。
これらの材種(唐木)は、すでに輸入禁止になっていますが、それ以前に確保しておいたものを何十年間も乾燥させたものを使います(すべて材種鑑定済)。
したがいまして、大変貴重で高価であり、財産価値もある木扇と考えてください。
扇八郎で製作するものは護身用として十分に耐えうるものを使用していますので、材種は硬くて重い唐木を使います。
上記のように「頑固扇」の形状は材料のロスが発生してしまいますので、扇八郎では基本的に右の写真のような形状を製作していきます。
現在、木扇は本紫檀、縞黒檀、アフリカ黒檀、椿、肥松、オノオレカンバ、リグナムバイタなどがあります。材質につきましては特に貴重な樹種であることを第一に念頭に置いています。
本物の黒檀、紫檀、タガヤサン、などはすでにワシントン条約ですでに輸入禁止になっていますので新たな入手は大変困難な状況です。扇八郎では以前入手したものの在庫がまだ沢山ありますので、これらを使って作成していきます。
単に木扇という意味であれば、どんな材種の木材ででも出来るのですが、扇八郎では護身用として使えることを条件に作成していますので、硬い木、そして、重い木を使用しています。
今までは唐木を主として作成してきましたが、木扇として使えそうな材種があればいろいろと作っていきます。
木はおのおのそれぞれに特徴があり、見た目、肌ざわり・感触などが違い、楽しみ方が変ってきます。
特に扇八郎がこだわっているのが、持っていることによって邪気を払い、幸運を呼び込む樹種であるということです。
上記の樹種はすべてそれぞれの神秘的なパワーを持っているものばかりです。
また、金属のものと違って、防犯上での取締りにも心配や不安なく携帯できます。
いざという時には護身用としても心強い味方になってくれます。
16. 扇八郎さんでいま販売している扇子紙の色以外の色や家紋、絵柄などを特注としてオーダーできるのでしょうか。
特注の絵柄は、京都在住の絵師の方が描いてくれています。通常の絵を描くのとは違い、扇子に絵を描く場合には特別な描き方があります。その範疇に入っているものでしたら絵をかくことができます。題材・構図をメールに添付してください。書けるかどうかをご連絡いたします。
全面一色のみのものは、数量がまとまらないと対応できません。ただ、印刷でよろしければ可能です。
家紋なども印刷になります。
なお、時間と金額にこだわらなくてよろしければ、作製いたします。