手慣らし型 鉄扇タイプを木で作っているものです。
鉄扇は読んで字のごとしで、鉄で作られた扇子のことです。
扇八郎の鉄扇はステンレスで作ってあります。
扇子のように開くものと、金属だけで出来ていて開かないものの2種類があります。
以前から「金属製ではなく、木で作ることはできないのか」と言われていました。
特に「手慣らし型鉄扇」のことです。
今回、扇八郎では木で手慣らし型鉄扇を作成しました。
金属製の鉄扇ではないので、扇八郎では「手慣らし型木扇」と呼びます。
これは第一段階です。
今後は他の種類の木も使用していくつもりです。
たとえば、黒檀、タガヤサン、他の重くて硬い木です。
すべて無垢です。
これらは重くて硬い木ですので、護身用として十分な能力を発揮します。
紫檀は唐木と呼ばれ、3大唐木は、紫檀、黒檀、タガヤサン。
5大唐木は、紫檀、黒檀、タガヤサン、白檀、カリン。
唐木は昔から邪気を払うと言われています。
これらの木は過去に乱獲され現在枯渇状態にあり、今は保護されています。
唐木はは大変硬く重い木で、加工するのが非常に困難です。
普通の木のように、自分の思ったとおりには削れてくれません。
本紫檀はアジアが原産です。
現在紫檀と呼んでいる樹種は多種にわたっていて、そのため、
紫檀の定義は現在ではかなり複雑で、専門家でも完全に分類することができなくなっています。
これは当初、本紫檀、手違い紫檀、アフリカ紫檀の3種類を通常、紫檀と呼んでいたのですが、
乱獲のために枯渇状態になり、需要をまかなえなくなったため、商社を中心として世界中から
紫檀に似た木を見つけて、紫檀として販売してきました。その決果として膨大な種類の紫檀と
呼ぶ似た木が広まってしまったのです。
また、ワシントン条約で丸太の輸入ができなくなってしまった決果、
大変貴重で高価な木材となってしまいました。
通常は紫檀とは、本紫檀、手違い紫檀、アフリカ紫檀のことを言います。
扇八郎では「材種鑑定済」の本紫檀を木扇の材料に使っています。
輸入禁止になる前に国内に持ち込まれたものを製材し、2~30年間寝かせて乾燥させたものを使っていますので、ゆがみ・変形はおきません。
このように貴重な木材ゆえに、木扇の形状は製材された材料に形状に合わせて削りますので、木扇の形状、長さや重量など同じものはありません。
本紫檀の定義は諸説がありますので、不明な点はご自分で調べて確認してください。
[頑固扇]風 木 扇
簡単に説明します。
幕末最強の剣術家といわれた剣豪「榊原鍵吉」が明治に入ってから作った木扇を「頑固扇」言います。
それまで常時、刀を持っていることが出来た武士たちは、明治に入ってからは持つことが禁止されました。
そこで、榊原鍵吉は自分の身を護るために「倭杖(やまとづえ)」というものと、「頑固扇(がんこせん)」というものを考案しました。
倭杖とは長さ三尺二寸(木刀と同じ長さであるがもっと細身)で、六角に削った金剛杖のようなもので、柄を丸くし鍔のあたりに十手様のカギをつけたものと「直参影流極意131頁」に書かれています。
この倭杖につきましては手描きの絵がありますので形がはっきりわかりますが、頑固扇の絵がありませんので推測になります。
頑固扇は扇子を閉じた形のもので、長さは一尺二寸と一尺三寸五分の2種類があり、短いほうは脇差の変わりに差し、 長いほうは試合の審判の時の軍扇代わりに使用しました。
材質は最初は両方とも桜材を使用したが、後に樫に代えました。
頑固扇の重量の記載もありませんが、護身用に使えるということを考慮しますと、なるべく重いほうが有利になりますので、最低でも100g以上は必要かと思います。
護身用に何か持ち歩きたいのだが鉄扇では少し抵抗があるという方に最適ではないかと思います。
扇八郎ではサイズおよび材質をいろいろ変えて作成していきます。
当時の「頑固扇」の形状はおおかた想像できますが、貴重で高価な材質を使用した場合、なるべくロスが少なくなるように随時形状は少しづつ異なります。
扇八郎の商品はあくまでも護身用を目的としていますので、いざという時に役に立つように考慮しています。
扇八郎の 頑固扇 は、右の写真の舞扇を参考にして製作しております。
黄色は長さ約290mm・天幅40mm、白色は約270mm・天幅30mm
長さ・重さ・形状・樹種など、ご自分の目的や好みに合わせてお選びください。