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守り刀としての鉄扇

「守り刀」は、武家において子女が生まれた際に、魔除け、邪気払い、これから襲いかかってくる様々な病気などから身を守ってもらうためのお守り(護符)として与えた短刀のことです。

 

また、娘が嫁入りの際に持たせる刀でもありました。
新たな人生への旅立ちに際して花嫁を様々な災難から守ってくれるお守りとして持たせたのです。
今日でも皇室の儀式に「賜剣の儀」という、天皇家および宮家で子が生まれた際に
「守り刀」を天皇から贈る儀式があります。
嫁入りの時に持たせる短刀は、帯から少し覗かせる程度で5から6寸の小ぶりのものです。

「守り刀」の風習は法律の規制のせいもあり、今ではほとんど残っていませんが、現在でも「守り刀」に
こだわっている人たちが多勢います。
女性・子供たちだけでなく、男性でも「守り刀」を持ちたいと思っているはずです。
邪気や災厄を払い、健康や運を呼び込みたい。
これが「守り刀」を持ちたいという理由です。
しかし、今、本来の「守り刀」を手に入れようとすると、安いものでも30~50万円くらいします。

銃刀法の問題もあります。
普段、安易に持ち歩くこともできませんので、護身用に使えるわけでもありません。
それではなかなか手が出せませんね。

ちなみに、私の守り刀を紹介します。(右写真の短刀)
全 長:295mm(鞘込み)刃 寸: 151mm

最大刃厚:5mm
鞘込重量:250g
鞘無重量:175g
刃部地金:和鉄
刃部鋼:スウェーデン鋼
鞘 材:カナダ産メープル(楓)

刃の部分の鋼(はがね)はスウェーデン鋼で、地鉄は和鉄を鍛造してつくられています。
和鉄は江戸時代に作られた鉄で、この守り刀に使われたのは当時「錨」だったものです。
工業試験場で成分を分析してもらって江戸時代のものと判明したものです。鉄の材質も申し分のないものでした。
この鉄も錨から刃物に形を変えて、これからもその存在感を示していくのです。
当時はまだ製鉄技術もたたら製鉄に頼っていて、しっかりと確立されてなかったので不純物が多く含まれていました。
ですから、この鉄を鍛造するのには非常に手間と労力と技術が必要になります。

 

熱い炉のそばで時間をかけてこの不純物を取り除くための格闘が行われるのです。
ちなみに、鉄を大きく分けると、江戸時代から前のものを「和鉄」
明治・大正・昭和の始めのものを「錬鉄」そして、
第二次大戦後のものを「現代鉄」というそうです。
鞘はカナダ産のメープルです。
日本名で楓(かえで)の木です。
写真では少し見にくいのですが、木肌がピカピカに光っています。

 

これはニスを塗ってツヤを出したのではありません。
メープルの木は番手の大きい紙ヤスリで磨くとピカピカになります。
ということで、私がコツコツと磨きました。
さて、「守り刀」の代わりをしてくれるものはないでしょうか。

ありますよ。

扇八郎の鉄扇です(親骨)。

 

完成品です。

ステンレスの親骨をピカピカに磨き上げた鉄扇です。
鏡面磨きにしてありますので、鉄扇の親骨は刀のようにピカピカです。
鏡のように輝いている鉄扇の親骨は邪気や災厄、
その他のマイナスエネルギーを撥ね返してシャットアウトします。
そして、末広がりに開いた鉄扇の扇子部分が幸運をはじめとする
プラスエネルギーを呼び寄せます。
自宅では鉄扇の扇子紙を開いて窓側に向けて置いてください。
邪気は窓から入ってきます。

幸運は末広がりの鉄扇の扇子紙に惹かれて吸い寄せられます。
扇八郎では、特に「守り刀」として鉄扇を持ちたいという人のためには、
鉄扇の親骨の形状を少し変えてあるものもあります。
鉄扇親骨の「天」の部分が少し出っ張っていて、刃物のイメージを持たせました。
最近、「守り刀」の代わりに鉄扇を持ちたいと購入していかれる方が増えてきました。

それを独自に神社やお寺でお払いしてもらって身につけているそうです。

 

本当の刀では銃刀法に触れてしまい、携帯ができません。
鉄扇であれば、いつでも携帯が可能ですので、護身用にも使えます。
子供から大人まで鉄扇のサイズを揃えましたので、適当なものをお選びください。
特に、6寸の鉄扇はこの「守り刀」をイメージして作られています。

 

なお、「守り刀」の代わりとして鉄扇を購入される場合には、
扇八郎では鉄扇作成時に私たち職人一同が「特別に気持ちを込めて」作らせていただきます。
その旨をご連絡してください。
扇八郎の鉄扇がみなさまの幸福とますますの繁栄を導いてくれることでしょう。

扇八郎では守り刀としての鉄扇に名前を入れることはしていません。
鉄扇自体にお子様やお嬢様の名前を入れなくても自然とおのずから所有者の念がそこに入っていきます。
余談になりますが、本来の守り刀である短刀には所有する方の名前を入れるのが常識のようです。
しかし、時としてこの名前の入った短刀が市場に出て売りに出されています。
その名前の方がすでに亡くなってしまったのか、他に何か事情があってのことかわかりませんが、
私には何か複雑なものを感じます。
私個人の感覚ですが、やはりそういうものは外に出さないで手元に置いておく方がいいのではと。

 

 
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